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家づくりコラム 2022.02.15
愛着のわく家、価値のある空間
こんにちは、坂根工務店の堂本です。
築数十年という古民家のリフォームやリノベーションでは、天井裏に隠れていた梁をきれいに磨いて表に出してあげると、それだけで空間の価値が上がります。
建て替えの場合も同様で、解体予定の旧邸の古材を残し、再利用することで、新しい家であってもその空間に価値が生まれます。
昔の家にはケヤキ、クリ、サクラなど、今ではとても手に入らないような希少価値の高い材木が使用されている場合があります。
そんなときは、私どもの方から「これはとてもよいものなので、再利用しませんか?」とご提案することもありますし、お客さまの方から「再利用できますか?」と質問されることもあります。
古材を利用することは、ただ空間の価値を高めるだけでなく、建物に対して愛着を持つことにもつながります。
前の家で大切に使われてきた柱や梁、床、建具。代々受け継がれてきたもの。そういった価値を尊重する想いが、家に対する愛着につながるのではないでしょうか。
解体や保管などの取り扱いに慎重さを求められるため、新品の部材を使うよりもコストがかかる場合もありますが、その家・その部材には“思い出”というお金では買えない価値があることも紛れもない事実。
あるお客さまから、
「代々受け継がれてきた柱が2階の天井裏にある。その柱を、次の家にも残したい」
というご相談を受けたことがあります。
おじいさまの家、お父様の家、そして息子さんの家と、この柱が受け継がれてきたそうです。
新しいお住まいにも、天井裏にひっそりと、その柱が息づいています。
吹き抜けを横切る立派な梁も、旧邸で使用されていたもの。
こちらは当社から、飾り梁として再利用することをご提案させていただきました。
この梁を見るたびに「この上先に、あの柱があるんだな」と、ご先祖様に想いを馳せていただけるとうれしく思います。