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こんにちは、坂根工務店の堂本です。
今回は築70年の和風家屋のリノベーション事例を深掘りしていきます。

■ 温故知新のリノベーション。祖母から孫へ住まいを継承

施工事例「受け継ぐ家」より

この家は、もともと祖父母・父母・孫の3世帯で暮らしていたお住まいでした。
今回のお施主さまはお孫さんに当たる方。
結婚を機に都会から地元へ戻ることになり、奥さんとの新生活をこの住まいで迎えることになりました。

現代生活としては使いづらい間取りや設備であるため、内装はフルスケルトンに。
とても大事に管理され掃除が行き届いたこの家は、なんとシロアリの被害もゼロ！
「寒い・暑い・水回りが古い」以外に問題はなく、外観や構造は活かす方向で設計しました。

まず外観は、漆喰できれいに塗り直しています。
構造部は耐震性能に不安が残るため「耐震壁」に変更し、耐震補強を施しています。

造りは新しくなりましたが、日本家屋らしい外観に似合う和モダンな玄関に。
元の玄関にあった竹細工を再利用しました。

こちらはLDK。床材には無垢のタモ材を使用しています。
天井を解体し、梁をあらわにしました。
レトロな雰囲気のガラス戸は再利用しています。

タモ…木目が美しく、淡色の色合いで空間を明るく見せてくれる木材。
強度があり、肌触りが滑らかなため多くは床・家具などに使われます。

屋根裏で眠っていた梁は古くなり変色していたため、一皮剥いて磨いています。
立派な梁はこの家のチャームポイントとなりました。

小屋組の梁を美しく照らすために照明づかいにも工夫を凝らしています。
梁によって影が落ちるのを防ぐため、吹き抜け部分の天井には照明器具をつけていません。
天井を白くして、そこにスポットライトや間接照明を当てることで部屋全体を明るくしています。

手元の照明は配線ダクトに取り付けたスポットライトを使用。
家具の配置に合わせてフレキシブルに動かせるようになっています。

リビングには大工さんお手製の「収納ベンチ兼テレビボード」を設置しました。

昔ながらの造りの家は、家事動線を確保した造りに生まれ変わっています。
ちなみにこちらの部屋は家事室です。
洗濯物を畳んだり、アイロン掛けをしたり。
家事動線上につくられているので、効率よく家事を進めることができます。

和室であった部分を水回りに変更したため、新たに壁を造り独立した和室になりました。

2階の窓からのオーシャンビューはそのままに。

家が持つポテンシャルを最大限に活かしながらも、新しい世代が使いやすい工夫を。
皆さんも家族が大事にしてきた家をリノベーションしてみませんか？
次回の事例探求もお楽しみに！