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施工事例 2024.10.31
これぞ坂根工務店の手仕事!事例を探求〜純和風の憩いのゲストハウス〜前編
こんにちは、坂根工務店の坂根広泰です。
今回ご紹介する事例は、お客様と過ごすためのゲストハウス。
中規模の和風建築および茶室を施工しました。
前編にて外観と茶室を、後編にて内観をご覧いただきたいと思います。
日本建築の美と、どこかモダンな雰囲気を楽しめる建築になっています。
せっかくの機会ですので、今回の事例紹介では、各所に散りばめられた日本建築の豆知識をご紹介できればと思います^ ^
和の趣を感じる集いの館
施工事例「季節の移ろいを感じる、和のしつらえのゲストハウス」より
立派な庭石と石畳が迫力を感じさせるアプローチ。
旅館などで見かける巨大な庭石の意味は皆さんご存知でしょうか。
ただ置いているのではありませんよ!
それは雄大な自然を表現するためにあります。
山・海・川を一つのお庭の中に納め、幾重にも楽しめるようなデザインになっています。
ちょっとしたルールもあり、石の大きさがバラバラであること。それから並列に並べないこと。形はなるべく自然のままであること。人工感を出さないことが日本庭園に必須な条件になっています。ぜひ日本庭園を見る機会があれば、和の美しさだけではなく、何を表現しているものなのかじっくりと観察するともっと楽しめますよ。
現代の住宅でも見かける石畳というのは、畳のように敷かれた石のことで寺社仏閣に敷かれたことが始まりです。ヨーロッパとは違う四角い形は品格を表しています。
四季を楽しむ坂根工務店の家づくり。
春になれば青々とした庭木が、暖かな季節の到来を知らせる。
冬になれば葉の落ちる木があり、凍てつく寒さを感じます。
大きな窓から眺める景色に風情と変化を感じられること。
お庭と住宅、もしくは窓からの眺望と住宅は一対の関係にあるのです。
今回は外観の色を抑えて焼杉の壁に。
家の外観の色味は派手さなく、あえてくすんだ色味で仕上げることも高い品格を感じられる理由なのです。お庭を“魅せる”ための工夫でもあります。
こちらはゲストハウスの玄関です。
特にご注目いただきたいのは、照明(灯)です。
日本建築において重要なのは、光の陰影。
日本人が心地良さと安心感を得る、光のあたたかみと柔らかさ。
昔は火を使った行燈(あんどん)でしたが、現在でもその灯に惹かれることは変わりません。
黒い外壁の中にポッと灯に照らされた玄関空間。
ヒバで造作した格子戸から透ける室内の灯もお客様を優しく出迎えます。
数寄屋づくりの茶室
お庭の一角には、数寄屋造りの茶室を設けています。
私たちの事例でよく登場する数寄屋造り。そもそも数寄屋とは茶道・華道に習い、和歌などの風流な遊びを楽しむ人々のことを表します。その人々の好みに合わせた質素ながら洗練された美しさを感じる建築となっています。
亭主が客人をもてなす意味を持つ「茶室」はゲストハウスにピッタリですね。
茶室の庭には砂利と飛び石が敷かれています。
飛び石はデザインとしてだけでなく、雨が多い日本で履物や着物が泥で汚れないようにと思慮されたものです。曲線を描く配置はお庭を眺めながら、ゆっくりと茶室に入っていただけるようになっています。
数寄屋建築の流れに基づいた茶室。
天井の造りは「掛込天井」と呼ばれ、庇の部分に天井を張らず天井の構造を見えるように仕上げた勾配天井と、平らな天井を組み合わせたものです。
この事例では平らな天井部分には片板を編んだ網代天井を採用しています。
にじり口と呼ばれる、茶室ならではの小さな入り口。
これはかの有名な千利休が取り入れたものです。
茶室の中では皆平等という思想から、昔は刀を携えた場合にもこの入り口を入るためには外さざるを得なかったのです。
和の建築には魅力がたくさん詰まっています。
次回は内装編。お楽しみに。
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