お知らせ・ブログ・土地情報

こんにちは、坂根工務店の林です。

今回ご紹介するのはASJ建築家と坂根工務店のコラボによって生まれたご夫婦のための新築住宅です。
ある事情からアルファベットのKの形をしたお住まいに…！
前編ではお施主様からのご要望、変わった形の外観のヒミツ・玄関編をお届けします。

施工事例「上質な時を　上質な空間で」より

お施主様のご要望とコンセプト

30数年ぶりに舞鶴にUターンされたご夫婦のお住まいです。
舞鶴湾のほとりにある敷地付近には宿泊施設や高層のマンションが立ち並んでおり、住宅としてはプライバシー性や窓からの眺望の確保が課題でした。
元々はお祖父様がお持ちの土地で、そこには大切に育てていたモミジ他樹木や大きな庭石がありました。
「これはお祖父さんが四国からわざわざ取り寄せた庭石。これをぜひ活かして設計して欲しい」そんなお施主さまの願いもあり、コンセプトの中心として組み込みました。

↑施工前のお庭の様子

↑庭木の植え替え作業(モミジ以外の樹木は植え替えしています)

外観部

こちらは家を真上から見た時の形です。
大木のモミジをそのまま残す設計のため、アルファベットのKの形をしています。
このKの形は【プライバシーを守りながらも住まいに自然の緑を取り込む】【十分な採光と通風を行う】ことに役立っています。

道路側正面から見ると、ツートーンの外観。
ガレージ部分は塗装サイディング、入口側はグレーカラーで吹付塗装をしたベルアート仕上げになっています。ベルアートは刷毛やコテを使って自由に表面に模様をつけ、高級感のあるデザイン性の高い外観に仕上げることが可能です。軽量でひび割れしにくいこともメリットです。

プライベート空間へと続く玄関アプローチには豆砂利の洗い出し(左官仕上げ)を施し、和モダンな雰囲気に。
豆砂利の洗い出しは濡れても滑りにくく、手入れもしやすいので坂根工務店の家づくりではよく活躍してくれる自然素材です。
また門の代わりに木組みの格子戸を設けて、程よく光と風を通しながらもプライバシーを守ります。

格子戸を抜けると、エントランスと中庭に続きます。
トンネルをくぐるようにプライベート空間へと切り替わる感覚になります。
アプローチの天井には湿気にも強い無垢のヒノキを採用しています。

中庭に抜けると、ちょうどKの凹み部分で青空を臨む空間です。
効率よく陽光を取り入れるために中庭に面して窓を設置しています。

お祖父様のモミジもここにどっしりと構えています。
モミジは四季の移ろいを魅せてくれるため、中庭にはピッタリの樹木だと思います。

中庭は昼夜の雰囲気の違いも楽しめます。
夜はライトアップして幻想的な中庭を眺めることができ、プライバシーが守られているためカーテンを閉めずにお過ごしいただけます。

コンクリート土間の愛車のためのガレージです。可動棚を設置してタイヤやアウトドアグッズなども収納できるようにしています。敷地内にはここを含めて計3台駐車することができます。

エントランス

エントランスは、シンプルで木の温もりを感じられる空間に設計されました。
天井はアプローチと同様にヒノキ材を使用しました。芳醇な香りで耐湿性や耐久性に優れており、家中どこでも活躍する日本を代表する木材です。
床は虎斑(とらふ)模様が美しいナラ材を使用しました。オークと同類のカシ科で、耐久性があることから床材として人気が高いですが、ナラ材はどこか和風な印象があります。

虎斑(とらふ)模様…トラの柄のような木目

後編では室内の様子を解説いたします。お楽しみに♪