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aboutさかね 2025.01.09
【家づくりの豆知識】おうちのお守り「棟札(御幣)」のこと
こんにちは、坂根工務店の堂本です。
皆さんは「棟札」ってご存知ですか?
日本の家づくりに残る「棟札」の風習と心のこもった家づくりについてお話しします。
坂根工務店と棟札のこと
棟札とは、家の最高位置で屋根を支える棟木を取り付ける「上棟」の際に、大工の棟梁が小屋裏に納める木の札のことです。私たちはこれを御幣(ごへい)と呼んでいます。
坂根工務店の御幣はこのような細長い五角形です。
以前は当社の会長が書いていた御幣は、今は私が引き継ぎ心を込めて筆入れしております。
この御幣の意味合いですが、私が教えてもらったことをご紹介します。
1.建築の神様をお祀りして工事の安全とお家の末永い安全を祈るということ
私たちがお祀りしているのは、工匠の守護神で手置帆負命(たおきほおいのみこと)と彦狭知命(ひこさしりのみこと)です。御幣には神様の名前が書かれておりますが、実はこれらは建築を司る神様。
屋根が出来上がってからは見ることができませんが、家を災難から守っていただけるよう願いを込めたものです。太陽が通る南側もしくは東に向けて取り付けることが原則です。
▲ 御幣の取り付けの様子
2.竣工の記録としての役割
ここに記載しているのは、工事の年月日とお施主様のお名前、坂根工務店、大工・棟梁の名前です。
私たちの仕事の記録は建物が在り続ける限り、こうして残されています。
リノベーション(改修)に伺った際には、この御幣を見ていつ建てられたのか、誰の手によって建てられたものなのか歴史を追うことができます。
坂根工務店の初代善兵衛は田辺城内にある仏閣を建てるほどの名棟梁として知られておりましたが、その御幣にあった年月日によって創業日が分かったのでした。
私たちはありがたいことに、親世代→子世代→孫世代へと時代を超えて家づくりをさせていただける機会に恵まれていますが、かつての先輩棟梁・大工の仕事ぶりをこの御幣によって実感することができるのです。
▲棟を3回叩きます。
御幣をお祀りする上棟式は、お施主様と一緒に行います。
私たちの家づくりへの想いを込めた伝統的な家づくりの習わしである、この一度の機会を見守り楽しんでいただければと思います。
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